
20代後半は、他に何も考えられないほど結婚したかった。一刻一刻、結婚したい結婚したいと心が唱えていた。親友には順番が逆だと思う、つまり、人を好きになって、その結果、他の選択肢と比較しながら、結婚を選択するのであって、結婚したいという気持ちが先にあるのは違うのではないかと言われたことがある。それはあくまで、彼女の結婚に対する考え方で、押し付けられたわけではない。一つの考え方であることは彼女も承知していた。無理をしない親友らしいその考え方は説得力のあるものだったけれど、自然発生する結婚したいという強い気持ちは抑えられなかった。
20年後の今、私は結婚して、夫と毎日のように喧嘩を繰り返しながらも、喧嘩することで折り合いをつけて、2人で協力して3人の息子を育てている。結婚は好きになってからするものと決まっているわけではない。結婚とは、それをスタートとして互いに努力して創り上げるものだからだ。どんな答えでも創り上げられる。夫婦の数だけ、結婚の形はある。ただ、どんな夫婦でも、相手の気持ち、いや、育ってきたそれまでの全部を受け入れながら、二人三脚で創り上げていくものであることに変わりはない。
だから、子供のころから、互いに結婚生活を継続できるしなやかな心を育てることが大切になる。適齢期からの婚活では間に合わないから。